ホントは可愛い洋服が着たかった

 

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「ホントはもっと女性らしいファッションを着たかったんだな…」

2023年10月末に舌がんと宣告された。2023年11月末から手術や標準治療を行い、現在に至る。

手術や標準治療を行った影響により、人生で一番太っていた時よりも20㎏ほど痩せた。以前よりも、好きな服を着ることが出来ている。だからこそ、気が付いたのだろう。自分の心の声に。

思えば、大学時代に交際していた9歳上の彼氏から渡されるプレゼントは全てフェミニンなものばかりだった。だからと言って、フェミニンなものが嫌いだったのかというと違う。購入していた雑誌には、フェミニンな洋服が掲載されているものが多かったし、好きな著名人は小嶋陽菜さんだった。それは、今でも変わらない。彼女が手掛けているHer lip toの新作は発売するたびに、何を購入しようか悩んでいる。

大学時代、今よりも太っていたのもあるが「自分には似合わない」と思っていたのもある。必死に弱い自分を隠すために「強そうな」ファッションを楽しんでいた気がする。

「ホントの自分を隠す」ためだったのだろう、と今では思う。
きっと、それは、家族や親戚から「ありのままで愛されなかった」から自分を隠したかったのだろう。自分の本心を悟られないように、自分の弱さを隠すために、自分の人間不信を隠すために、冷たさと落ち着いた雰囲気を出すために、モード系寄りのファッションを楽しんでいた。クローゼットにある色は、白か黒が多かった。

ホントは誰よりも弱い、だけどありのままでは愛されないし、強い自分でいなければ自分を保つことが出来なかった。自分の心の声を無視していた。自分を隠すために、守るために、私は「武装」という意味を込めていた。

母からよく「可愛げのない女」と言われていた。なぜ、そう言っていたのかはよくわからない。聞く勇気もないし、言葉の暴力を当たり前に行っていたし、親友の母が私の弟との依怙贔屓を心配するほど周りから見える扱いの差があったのだから、仕方ないのだろう。私には、出来ていない点の指摘の仕方というのだろうか強い口調で話しかけるが、弟に対しては私とは明らかに違う優しい指導の方法で優しい口調だった。弟より、学力や人間性も劣っており、友達も少なく「普通の子と違ってなんで友達ができないの」と怒られたこともある。明らかに期待されていない、愛されていないだろな、ということは幼少期から薄々感じていた。

「私は可愛げのない女」だから、可愛く振る舞ってはいけない。女性らしく生きてはいけない。
どこかでそう思っていたのだろう。女性らしく生きることは悪いことなんだ、と刷り込まれていた。

「可愛げのない女」と言われるなら、逆に「強い女」であり続けたらいい。「強い女」であり続けたら、自分の弱さも臆病さも人間不信なところも、全部隠せる。むしろ、隠して生きなければ愛されない、幻滅される。そう思っていた。でも、舌がんになって、自分と向き合う時間が増えて、様々な学びを通して気が付いたことがある。

「私は、自分の心の声に蓋をしてた」んだ。色んな自分の声を無視していたんだな、と改めて感じた。今まで自分の心の声としてあったのが、「女性らしいフェミニンさが欲しかった。女性らしいと言われるファッションを着たかった」という欲望であり、自分の本心というか心の声であった。

大学卒業から10年が経ち、舌がんの治療によって罹患前より10㎏ほど痩せたからだろう。
「今まで着ることがなかった」からなのか、フェミニンな洋服が多くなった。
大学時代までは、クールでボーイッシュというかパンツスタイルやロングスカート、ギャルのようにタイツにショートパンツとワンピースを着ていた。アウターも、レザージャケットを好んで着ていた。今でも、ショートパンツやレザージャケットを着ます。

だが、明らかに女性らしさを感じるマーメイドスカートやワンピースが増えてきた。特に意識はしていないが、闘病によって痩せたことにより、かつて着ることが出来なかった女性らしいフェミニンなワンピースを着ることができるってことも関係しているだろう。

だからと言って、クローゼットの色味まで変わったかというと、そこは相変わらず白か黒、青が多い。しかし、そこにピンクが入ってきたのはいい傾向だと感じている。なぜなら、ピンクなんて今までの自分なら選ばなかったからだ。もっと言うと、持ち物もピンクを選ぶことが増えた。

「あぁ、ホントは女性らしく生きたかったのかな…」なんてことを、最近は思う。

いま思えば、10年ほど前に起業女子ブームが来た時に憧れたのは宮本佳実さんだった。
同じ7月22日生まれなのもあるとは思うが、きっと小嶋陽菜さんと同じような女性らしいフェミニンなファッションをしていたから憧れたのだろう。

「自分の欲しい欠片」を持っている人に惹かれる、とどこかで見たことがある。その理論に当てはめるならば、私は、見た目だけでもいいから「女性らしさ」が欲しかったのだろうと思う。もっと言うならば、小嶋陽菜さんから放たれる女神のようなオーラにも、経営者としても憧れている。私が「自由人の女神」であるだけで、私の周囲にいる人も私も幸せになる。私の在り方として、「自由人の女神」として決めている。だから、「女神」のような小嶋陽菜さんに憧れるのだろう。

そんなことを闘病を通して、自分と向き合って気が付いた。
だから、私は自分の心の声に従って女性らしいフェミニンな洋服を着ることにした。